ArchiCAD 次世代足場GDLの作成~ブレース~

2024年9月9日月曜日

atn GDL sqr 足場

t f B! P L
前回はアンチを作成しましたが、今回は先行ブレースについて考えていきたいと思います。

ブレースGDLイメージ
イメージと変数

!----------------------------------
!ブレース
!----------------------------------
brace_D = 100/t			 !支柱芯からの距離
braceX = A - brace_D*2	                !斜材のX距離
braceY = 0.95			        !斜材のY距離
brace_L = sqr(braceX**2 + braceY**2)	!斜材の長さ
brace_R = 22/(2*t)		        !斜材の半径
マスタースクリプト

!----------------------------------
!ブレース
!----------------------------------

"ブレース":
	addy brace_R
	gosub "ブレース斜材"
	del 1
	gosub "ブレース上爪"
	gosub "ブレース下爪"

	addx A
	mulx -1
	gosub "ブレース上爪"
	gosub "ブレース下爪"
	addy -brace_R
	gosub "ブレース斜材"
	del 3

	gosub "ブレース手摺"
return

"ブレース斜材":
	addx brace_D
	roty 90 - atn(braceY/braceX)

	gosub "斜材カット両側"
	addz brace_L
	mulz -1
	gosub "斜材カット両側"
	del 2

	cylind brace_L, brace_R
	
	for i = 1 to 4
		cutend
	next i

	del 2
return

"斜材カット両側":
	gosub "斜材カット片側"
	rotz 180
	gosub "斜材カット片側"
	del 1
return

"斜材カット片側":
	rotz 90
	rotx 90
	cutpolya 4, 1, 0,
			brace_R, 0, 0,
			brace_R - 0.007, 0, 0,
			brace_R - 0.007, 0.1, 0,
			brace_R, 0.15, 0
	del 2
return

"ブレース上爪":
	addz braceY
	ruledsegmented 10, 1+2+4+16,
		brace_D-0.065, 0.006, -0.02, 0,
		brace_D-0.06, 0.006, 0, 0,
		brace_D-0.06, 0.006, 0.008, 0,
		brace_D-0.05, 0.006, 0.008, 0,
		brace_D-0.02, 0.006, -0.02, 0,
		brace_D+0.01, 0.006, -0.02, 0,
		brace_D+0.02, 0.006, 0.008, 0,
		brace_D+0.01, 0.006, 0.036, 0,
		pillar_R + 0.002, 0.006, 0.036, 0,
		pillar_R + 0.002, 0.006, -0.02, 0,
		brace_D-0.065,-0.006, -0.02,
		brace_D-0.06, -0.006, 0,
		brace_D-0.06, -0.006, 0.008, 
		brace_D-0.05, -0.006, 0.008, 
		brace_D-0.02, -0.006, -0.02, 
		brace_D+0.01, -0.006, -0.02, 
		brace_D+0.02, -0.006, 0.008,
		brace_D+0.01, -0.006, 0.036, 
		pillar_R + 0.002, -0.006, 0.036, 
		pillar_R + 0.002, -0.006, -0.02

	del 1
return

"ブレース手摺":
	add brace_D - 0.05, 0, braceY + 0.07
	roty 90
	cylind braceX + 0.1, brace_R
	del 2
return

"ブレース下爪":
	ruledsegmented 5, 1+2+4+16,
		brace_D-0.03, 0.006, -0.015, 0,
		brace_D-0.03, 0.006, 0.015, 0,
		brace_D+0.01, 0.006, 0.015, 0,
		brace_D+0.02, 0.006, 0.0, 0,
		brace_D+0.01, 0.006, -0.015, 0,
		brace_D-0.03, -0.006, -0.015, 
		brace_D-0.03, -0.006, 0.015, 
		brace_D+0.01, -0.006, 0.015, 
		brace_D+0.02, -0.006, 0.0, 
		brace_D+0.01, -0.006, -0.015

	ruledsegmented 8, 1+2+4+16,
		brace_D-0.075, 0.006, -0.02, 0,
		brace_D-0.075, 0.006, -0.015, 0,
		brace_D-0.035, 0.006, -0.015, 0,
		brace_D-0.035, 0.006, 0.015, 0,
		brace_D-0.075, 0.006, 0.015, 0,
		brace_D-0.075, 0.006, 0.02, 0,
		brace_D-0.03, 0.006, 0.02, 0,
		brace_D-0.03, 0.006, -0.02, 0,	
		brace_D-0.075, -0.006, -0.02, 
		brace_D-0.075, -0.006, -0.015, 
		brace_D-0.035, -0.006, -0.015, 
		brace_D-0.035, -0.006, 0.015, 
		brace_D-0.075, -0.006, 0.015, 
		brace_D-0.075, -0.006, 0.02, 
		brace_D-0.03, -0.006, 0.02,
		brace_D-0.03, -0.006, -0.02

	gosub "楔"
return
3Dスクリプト

三角関数の利用

今回は、上図で示したように斜めの部材を配置する必要があります。この斜材は、桁行方向の寸法(パラメータ "A")によって長さや角度(θ)が変わってきます。そこで、三平方の定理や三角関数を用いてこれらの値を導き出していきます。

まずは図のように braceXbraceY という変数を定義し、三角形の底辺と高さに相当する部分を考えます。braceX は、支柱から斜材までの距離を考慮するため、(A - brace_D * 2) という値を取ります。braceY は支柱のフランジ間隔なので、0.95という定数とします。これで三平方の定理を用いれば、斜材の長さを求めることができます。

式)brace_L = sqr(braceX**2 + braceY**2)

sqr コマンドは平方根を求めるために使用するコマンドなので、これは必須です。ブレースの長さ(brace_L)は、上記の式で求めることができます。


atn()コマンド

次に、部材を配置する角度(θ)を求める必要があるため、このケースでは atn コマンドを使うことにします。atn コマンドはアークタンジェント(逆正接)関数を表し、タンジェントの値から角度を求めることができます。3Dスクリプトの「ブレース斜材」ラベル内の2行目に記述している以下のスクリプトのように使うことで、角度を求めて3D形状を回転させることが可能です。

roty 90 - atn(braceY/braceX)

このほかにも、sin コマンドや cos コマンドなど、三角関数の計算に役立つコマンドが用意されています。リファレンスで検索すると便利です。また、他にも指数関数や論理和など、計算に役立つコマンドを一通り押さえておくと、より便利なGDLを作成できるようになるでしょう。

ブレースGDL
ブレースの作成

だいぶ形になってきたので、次の記事ではおさらいとして今までのスクリプトを貼りたいと思います。その後、階段や梁枠などの部材を追加し、数量算出や2D表現などの機能を強化していく流れを目標に進めていきたいと考えています。


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