前回の記事では、足場の2D表現について実装してみました。今回は、MVO(モデル表示オプション)という機能を用いて、表現をコントロールしていこうと思います。
MVO(モデル表示オプション)
「モデル表示オプション」は、プロジェクト内の3Dモデルの表示方法や詳細レベルを制御するための強力なツールです。これにより、異なる設計段階や図面の種類に応じて、モデルの見え方を柔軟に調整できます。
言葉だけでは少し難しく感じるかもしれませんが、このツールはビューごとにさまざまな設定を行うことができ、非常に便利です。
下の画像のように、「ドキュメント」タブからモデル表示オプションの設定画面にアクセスできます。設定画面では、要素ごとの表現方法を詳細に調整することが可能です。ぜひ、設定画面を開いて直接確認してみてください。
MVO設定画面 |
足場MVOの作成
MVOの設定画面は確認できましたでしょうか?
では、この設定画面に自作のMVOを追加していきたいと思います。
MVOの作成はGDLオブジェクトを作成する流れと同じような手順です。
①準備としてまずは、新規オブジェクトを作成します。
②次に、サブタイプの選択から、「ライブラリグローバル設定」を選択します。
サブタイプの選択 |
③準備が整ったので、パラメータを追加したり、スクリプトを書いたりしていきます。
新しいパラメータとして、
view_mode
という整数型のパラメータを追加します。下記のコード例のように、パラメータスクリプトで values{2}
コマンドを使用し、選択肢を設定します。今回は「単線表示」と「投影表示」の2種類のモードを実装する予定です。パラメータスクリプト
values{2} "view_mode", 1,"単線表示", 2,"投影表示"
④さらにインターフェーススクリプトで以下のコードを書きます。
書き終えたら名前をつけて保存します。今回は「足場MVO」という名前をつけて保存しました。
インターフェーススクリプト
ui_dialog "足場の表示設定" ui_infield "view_mode", 10, 20, 100, 20
⑤保存し終えたら、ドキュメントタブからMVO設定画面を開いてみてください。
足場の表示設定という項目が追加されていると思います。これで自作MVOの追加が完了しました。
インターフェーススクリプトのコマンドは、また別の機会に記事にしたいと思います。
自作MVOの追加 |
LIBRARYGLOBAL
自作のMVOを追加した後は、足場GDLに表示モードの設定を反映させる必要があります。その際に使用するのが
LIBRARYGLOBAL
コマンドです。下記のように記述することで、mode
という変数(任意の名前でOK)に、足場MVOの view_mode
パラメータの状態が返されます。あとは、if
文を使ってモードごとに表示方法を切り替えるだけで対応できます。2Dスクリプト
success = LIBRARYGLOBAL ("足場MVO", "view_mode", mode) unID = 2000 if mode = 1 then rect2 0, 0, a, b line2 0, 0, a, b hotline2 0, 0, a, 0, unID :unID = unID + 1 hotline2 0, b, a, b, unID :unID = unID + 1 hotline2 0, 0, 0, b, unID :unID = unID + 1 hotline2 a, 0, a, b, unID :unID = unID + 1 if dis_stairs then gosub "階段2D" endif endif
ArchiCADでの動作確認動画がこちらです。
今回は以上となります。
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